中古車のカラクリとは?

 ここでは安心して中古車をご購入頂く為に、中古車販売に潜む“カラクリ”をご紹介いたします。

 昨今、自動車の販売台数は右肩下がりで推移しております。このような市場の状況で、中古車販売店は様々な手法を用いて、販売台数を伸ばそうと工夫を凝らしています。
 それらの販売店側の工夫がお客様にとってメリットであるなら喜ばしいことなのですが、実はそうではない状況も多々見受けられるのです。
 新車と違い、中古車はひとつとして同じ車がありません。装備や状態、色や走行距離が違うため販売価格も様々です。店頭やインターネットの販売価格を見て正確に比較することは難しいのです。

中古車総額の内訳
車輛本体価格とは
ほとんどの場合、磨き・室内清掃・整備費用などは含まれていません。
公的に必要な費用とは
自動車税・自賠責保険・重量税・リサイクル料金・ナンバー代・印紙代
業者が決める諸費用とは
各種登録手続きの代行費用や整備費用など中古車販売店が勝手に決めている費用になります。

 特に業者が決めている諸費用に要注意です。
中古車販売店が都合よく項目や名称を決め、いかにも必ず必要な費用として請求してきます。
例えば、

  • 登録手続代行費用
    基本的には書類作成の手続き事務費用です。
  • 納車準備費用
    車輛を販売できる状態にするための整備費用です。
  • 持込代行費用
    管轄の陸運局まで書類もしくは車輌を持ち込み、登録または名義変更する為の費用です。
  • 内外装美化仕上げ
    清掃した状態で店頭に並べていても販売時に請求する場合がほとんどです。
  • 行政書士料
    登録書類の作成を行政書士に依頼する際に必要となる費用です。

 納車準備や内外装美化仕上げはお車を納車する上で必要になる作業です。それならば車輛本体価格に含めるべき費用ではないでしょうか。
 また、車輛を登録する際に、行政書士に書類の作成をお願いする場合があるのですが、それならば行政書士料は登録手続代行費用に含めるべきではありませんか?

 しかもこれらの諸費用は、販売店側が勝手に決めている価格です。ですから販売店によって違うのです。店頭やインターネットに掲載されている価格よりも20万円以上諸費用が必要になる販売店は“安くない”と言っても過言ではないと思います。

法定費用に騙されないで!

 法定費用は国に払うものなので、中古車販売店の利益にはなりません。お客様もその点は了承しているため、見積りに記載してもあまり気に止めることはないでしょう。
 しかし要注意です。車検が残っている車輛は、自動車重量税・自賠責保険料は前オーナーから引き継いでいる場合がほとんどです。「法定費用ならしょうがないな。」というお客様の心理を利用し、ココに目を付けた販売店は見積書に計上し、「法定費用」の二重取りをしています。

納車準備費用や点検整備費用に騙されないで!

 販売店によって名称が違うのですが、「納車準備費用」「点検整備費用」等の名目で多額の料金を請求している場合があります。この「納車準備費用」「点検整備費用」等は、納車をする前に車輛を点検・整備し、発見された不具合を直す費用です。

 通常は、お店に入庫した時点で点検をし、不具合があれば修理をしてから店頭に並べます。それらの費用は車輛本体価格に含めて表示します。

 あまりにも高額な「納車準備費用」や「点検整備費用」を請求してくる販売店は要注意です。また、そこまで修理・補修をしなければ納車出来ない状態の車を販売していること自体いかがなものでしょうか。

保証制度に騙されないで!

 どんなに万全の整備をしても、100%故障しないとは言えません。しかし故障やトラブルの際に保証が付いていれば安心です。ウン十万の修理代がタダになることだってありますから。

 でも保証制度にも要注意です。ほとんどの中古車販売店が「保証」という名目で保証料を請求しています。お客様は掛け金をかけ、保険に入るようなものです。ほとんどの場合、販売店は保証会社に加入しています。つまり、保証料が請求されている場合、保証会社の保証を販売店は利益を上乗せしてお客様に販売しているのです。

 販売している車に自信があるからではなく、儲かるから保証を付ける。そんな販売店もあるのです。

※ 中古車には瑕疵担保責任が認められているため、目的物に隠れた瑕疵があった場合、契約上免除されていない限り、買主は売主に対し損害賠償を請求できます。

中古車の利益

 皆さんは中古車1台の販売で、販売店側にどのくらいの利益があると思いますか?

5万?10万?20万?

 雑誌やインターネットに在庫車を掲載して、仕入れるために業者オークションに登録して、家賃や人件費。規模によっても違いますが、経費だけでも月数百万円は必要です。では、毎月の販売台数は何台でしょう?

 1台あたり10万円の利益で10台販売して利益100万円。従業員が2〜3人で家賃が50万円。諸々の広告費や光熱費などの経費。これではお店を運営できませんよね?

 「うちは薄利多売ですから」なんてよく耳にしますが、販売台数が多ければ整備や車輛登録に人件費がかさみます。しかも、中古車は大量生産ではありませんので「薄利多売」に向いていない業種です。実は、1台あたり5万円や10万円の利益では経営が成り立たないのが中古車販売店なのです。
 良心的な販売店で15万程度。通常は20〜30万の利益をしっかり確保しています。

 昨今インターネットや雑誌に展示車を掲載する宣伝方法が主流ですが、他の販売店より安く見せないと販売には繋がりません。ですから車輛価格を安く見せ、わかりにくい諸経費でがっぽりなんていう中古車販売店が増えてしまっているのです。

中古車選びは販売店選び

 では、失敗をしない中古車選びとはどうすればいいのでしょうか。いくつかポイントを上げてご説明させていただきます。

  • 自社認証工場もしくは指定工場を完備しているか
     陸運局の許可を得た整備工場または指定工場が併設されている販売店がベスト。整備を他の業者に委託している販売店では費用が上乗せされていたり信頼性に欠けるでしょう。
  • 車輛の保証がしっかりしているか
     各自動車メーカーが設けている保証と同程度の内容で期間が1年以上がベストです。保証料として別途請求してくる場合もありますが、本来なら車輛本体価格に含めて提示するべきです。
  • 修復歴に注意
     「修復歴」の定義は日本査定協会の基準に準じている販売店が多いのですが、修復歴があったとしてもしっかり修理してあれば逆にお得に購入できる場合もあります。どこをどういう風に直しているか販売員に確認しましょう。しっかりとした返事が返ってこない販売店で「修復歴あり」の車を購入するのは避けたほうが無難です。
  • 整備付きに注意
     最低でも法定12ヵ月点検に準じた点検を行っている販売店を選びましょう。独自に設けた点検項目だけで、尚且つ整備代を請求している販売店もあるので要注意です。

 ただ単純に車輛の金額を調べ、比較するのではなく、販売店の姿勢や販売員の態度・知識など、総合的に判断することが重要です。

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